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⑤応用行動分析的アプローチ【西宮市 ラボ 生活介護 強度行動障害】

生きるをえがく

長尾です

 

これまた研修の内容です。

 

行動障害を「問題」ではなく「メッセージ」として理解する

― 応用行動分析(ABA)と機能的コミュニケーション支援の視点 ―

行動障害(強度行動障害を含む)を「直す対象」ではなく、「社会への問題提起・コミュニケーション」として捉え直すことを軸に、応用行動分析(ABA)に基づく実践的支援の考え方を体系的にまとめたものです。

 

1.「問題行動」ではなく「問題提起行動」

従来の医学モデルでは、行動は個人の障害として理解されがちでした。

行動は「社会的障壁を取り除いてほしい」というメッセージである。

・行動が繰り返されるのは、何らかの形で強化されているから

・多くの場合、その背景にはコミュニケーションの困難さがある

・「言葉が話せる=コミュニケーションができている」ではない

行動は「困った結果」ではなく、困っている状態の表現なのです。

 

2.行動には必ず「機能(理由・目的)」がある

1980年代以降、行動分析の分野では、問題行動を

コミュニケーションの一形態として理解する流れが主流になりました。

行動の主な機能は4つに整理されます。

・注目や関わりを得る

・モノ・活動を得る

・嫌なことから逃避・回避する

・感覚刺激を得る(自動強化)

重要なのは、行動を止めることではなく、その機能を満たす「別の手段」を教えることです。

 

3.機能的行動アセスメント(FBA)の重要性

適切な支援の出発点は、

「その行動は何を伝えようとしているのか?」を理解することです。

そのために行うのが、機能的行動アセスメント(FBA)。

・インタビュー(複数の関係者から)

・チェックリスト(MAS、FASTなど)

・直接観察(ABC記録、散布図)

・必要に応じて機能分析(FA)

行動の「見た目」ではなく、前後関係(ABC)を見ることが支援の質を大きく左右します。

 

4.支援の三本柱:先行支援・分化強化・消去

問題提起行動への支援は、次の3点を組み合わせて考えます。

a.先行支援(A)

・視覚的構造化(スケジュール・見通し)

・PECSなどによる機能的コミュニケーション支援

b.分化強化(B・C)

・機能的に等価な代替行動(FEAB)を強化

・問題行動が出ていない状態(DRO)を意識的に強化

c.消去(C)

・問題提起行動を強化しない

・消去バースト・間欠強化への注意が必須

 

5.PECSと機能的コミュニケーション・トレーニング(FCT)

PECS(絵カード交換式コミュニケーション・システム)は、

・自発的な要求を最初から教える

・プロンプト依存を防ぐ

・言語発達を妨げず、むしろ促進する

という点で、問題提起行動の予防・軽減に強いエビデンスがあります。

また本資料では、PECSと併せて教えるべき

9つの重要なコミュニケーション・スキル(待つ・拒否・休憩要求・移行理解など)が強調されています。

 

6.ダイナミック氷山モデル:医学モデルから社会モデルへ

行動の背景を理解する比喩として提示されるのが、
「ダイナミック氷山モデル」です。

・氷山全体=その人の特性(メリ・ハリ)

・水面上=問題提起行動として表出した部分

・海水の塩分濃度=社会の理解と支援の質

理解と支援が適切であれば、氷山(問題行動)は沈む。

問題は人ではなく、環境と関係性にあるという社会モデルの視点が貫かれています。

 

7.結論:百の対応より一の予防

多くの問題提起行動は、

「適切に伝える手段がないとき」に起こる

だからこそ、

・強力なコミュニケーション手段を保障する

・見通しと選択肢を提供する

・本人の特性(ハリ)を活かす

これらが、行動障害支援の核心であるとまとめられています。

 

”行動は「困った結果」ではなく、困っている状態の表現

困っている人に注意しても怒っても意味がありません

困っている状態を解消し、適切な表出をお伝えします

 

”行動の「見た目」ではなく、前後関係(ABC)を見ることが支援の質を大きく左右”

ラボではFASTとABC分析が使われることが多いです

行動分析を視覚化し、客観的に行なうことを助けてくれます

 

PECSは道半ばですが地道に進めています

支援手法ではなく目的が大切です

 

”多くの問題提起行動は、

「適切に伝える手段がないとき」に起こる。”

力対力にならないよう支援力を高める

力に技術で対応していく必要があります

マッチョマンにならず華麗に躍動しよう

抑止力ではなく支援力!!

 

 

生きるをえがく

 

 

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