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生きるをえがく
長尾です
すこ~し前に受けた研修
自閉スペクトラム症(ASD)の「学習スタイル」を理解する
― 教育・支援の質を高めるために ―
自閉スペクトラム症(ASD)の人たちは、「できない」のではなく
学び方そのものが多数派とは異なるという特徴を持っています
以下はASDの学習スタイルの特性と、それを踏まえた教育・支援のポイント
1.ASDの学習は「明示的」がカギ
多くの人は、言葉にされていない空気や文脈を自然に読み取る「暗黙的学習(Implicit Learning)」を行っています。一方、ASDの人は**明示的に示されることで理解しやすい「顕在的学習(Explicit Learning)」**が得意です。
・ルールや手順がはっきり示されていると理解しやすい
・「察する」「裏を読む」といった暗黙の理解は難しい
そのため、何を・いつ・どうするのかを具体的に示すことが重要になります
2.「般化」が難しいという特性
ASDの人は、
・場所が変わる
・人が変わる
・道具が変わる
といった状況の変化によって、**同じスキルを別の場面で使うこと(般化)**が難しい傾向があります。
そのため支援では、
・視覚的な手がかり
・ルーティンやリマインダー
・「隠れた社会的ルール」を言語化した説明
などを用いて、般化を意図的に支える工夫が求められます
3.視覚優位な情報処理
ASDの人には、聴覚情報より視覚情報の処理に強みがある場合が多くあります。
・絵や図で考える
・見たものから理解・記憶する
・抽象的な言葉は字義通りに受け取りやすい
テンプル・グランディン氏の事例でも、「言葉を映像に変換して理解する」という特徴が紹介されています。
そのため、言葉だけでなく、図・写真・実物・ジェスチャーを併用することが有効です
4.注意と実行機能の特性
ASDの人は、
・興味のあることに強く集中する
・注意の切り替えが難しい
・物事の段取りや見通しを立てるのが苦手
といった特徴を持つことがあります。
その一方で、
・細部への高い注意力
・事実や具体への強さ
という強みもあります。
環境を整理し、視覚的に構造化することで、これらの特性は学習の力として活かされます
5.社会的認知は「教えてもらうことで育つ」
ASDの人は、
・他者の気持ちを推測する
・相手の立場で考える(心の理論)
といった社会的認知に難しさを感じることがあります。
この点も「自然に身につくもの」ではなく、
視覚的合図やソーシャルナラティブ(ソーシャルストーリー)によって、具体的に教えることが可能です
まとめ:ASDの学習スタイルを前提にする
最後にASDの学習スタイルが以下のように整理されています。
・苦手:暗黙的学習、般化、抽象的理解
・強み:明示的学習、ルール理解、視覚情報、細部への注意
重要なのは、「できない部分を矯正する」のではなく、
学習スタイルの違いを前提に環境や教え方を調整することです。
それは結果として
ASDの人だけでなく
すべての人にとってわかりやすい支援・教育につながると言えるでしょう
書いてある!
「できない部分を矯正する」のではなく、
学習スタイルの違いを前提に環境や教え方を調整する
変化の主体は職員だ
利用者を変えようとするのではない
職員が変わるのだ
生きるをえがく
ながを